ワンマン社長という言葉はあまり普段から聞く言葉ではないかもしれません。
ただ、ワンマン社長のもとで働いていてストレスを抱えている人は結構多いんじゃないかと思います。
私が最初に就職した会社は、社長が一代で築きあげた不動産会社でした。
とにかく社長が強く、社長が「右」といえば社員全員が即座に「右を向く」。そんな社風の会社でした。
ですので、この社長はワンマン社長だったのだと私は思っています。
今回は、そんな会社で私が見てきた体験をご紹介します。
ワンマン社長が築いた会社の特徴!【体験談】
1 毎週月曜日に必ず朝礼で社長のお言葉を聞く

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すべてのワンマン社長に当てはまるのかどうか分かりませんが私がいた会社の社長は人前で話すのが大好きでした。
私がいた会社では毎週月曜日に必ず朝礼で社長のお言葉を拝聴していました。
入社してすぐのときは、主に新入社員向けのメッセージが多かったですね。
記憶にあるのは、たとえば、こんな言葉です。
「頑張っても頑張らなくてもいいところで頑張れるかどうかが大事」
「愛嬌のある社員になりなさい」
「とにかく目立って先輩社員に覚えてもらいなさい」
「たくさん本を読みなさい」
「結果がすべて。認めてもらいたかったら成果を出しなさい」
ほかにも、
「男性より女性の方が気配り上手で優秀」
「言われたことは素直に聞きなさい」
なんてことも言っていました。
入社当時は、ふむふむと聞いていたものです。
2 ナンバーワンになることに価値があると考えている

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ただ、お酒の席でこんな噂話を聞きたときは違和感を感じたんですよね。
社長はなんと日本で大ヒットしたSMAPの「世界に一つだけの花」という歌が大嫌い。
聞くところによると
「ナンバーワンにならなくてもいい。もともと特別なオンリーワン」
という歌詞が大嫌いだそうで
「特別なんてものはない。人はみんな凡人なんだよ!」
と言っていたそうです。
競争社会に揉まれ一代で会社を大きくした社長なので、その努力は並々ならぬものだったのだと思います。
(たぶん、ナンバーワンにならなくていい・・という歌詞が気に入らなかったのでしょう)
ただ、個人的にはこの話を聞いた時、雇われる身としては、ちょっとブラックな気配を感じました。
今思えば「素直になれ」は「社畜になれ」の洗脳教育だったのではないか・・と思います。
3 社長の言うことが絶対でNOは言えない空気がある

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基本的に、社内には、社長の言うことが絶対でNOとは言えない空気がありました。
・自分が一代で会社を大きくしてきたという自負がある
・自分の言うことは絶対的に正しいと思っている
そのため、部下の不満になんて基本的に耳を傾けませんし、ときには非常に感覚的かつトップダウンで会社を運営していました。
そのたびに残業対応を迫られるのは日常茶飯事でした。
それでも部下が役員に意見を言うことはNGで、言ったとしてもどうせ聞いてもらえないという空気が漂っていました。
結果がすべて。
という社風なので、結果を出してきた社長からすれば結果を出さない人の意見は聞く価値もないとみなされていました。
当然といえば当然かも知れませんが、現場で働く身としては辛いと感じざるを得ない環境でしたね。
基本的に、役員は創業当時のメンバーのみで構成されており、役員とそれ以外とで給料の2極化が極端に目立つ会社でした。
4 残業や休日出勤が多く残業代もきちんと計算されない

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結果がすべて。の社風なので、やる気のある頑張る社員ほど営業で結果を出したいので、残業や休日出勤が多くなりがちでした。
やる気のある社員を可愛がる傾向はありましたが、それでもやる気が給料に反映されることはまずありませんでした。(成果が出れば、表彰されて3万円を手渡されました・・)
基本的にはみなし残業制で、実際の残業時間からきちんと残業代を支払うことはありません。ただ、会社はそんな状況問題だとは思っておらず、とくに新人に対しては
「お金をもらって勉強させてもらっていると思いなさい」
と言っていました。そんな考え方の社長なのできっと残業代をきちんと払おうなんて思ってないのだと思います。
でも労働基準監督署の調査が入りそうになったときは人事部が残業が多かった社員を呼んでタイムカードの退社時間を書き換えさせていました。
(これって、・・違法?)
そのため、長く働き続けることに不安を感じる新入社員が続出しました。
5 新入社員の離職率が異様に高い

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私の入社したとき、40人の新入社員が採用されました。
総勢150人(くらいだったかな・・?)の会社に新入社員がおよそ40人も・・今から考えればかなり異様な採用数だったなと思いますね。
採用のときの謳い文句は
「平均年齢が30代の創業間もない若い会社」
「社員数が少なく一人ひとりの活躍の幅が広い」
「やる気があればいくらでも仕事ができ成長機会が多い」
純粋で成長意欲の高い若者には響く言葉だなぁと思います。
役員とそれ以外の社員の給料格差が凄まじかったのですが採用当時は知るよしもなく
「社員の平均給与の水準が同業他社より高い」
という説明をしていて魅力的に感じていました。
(ものは言いよう・・)
ただ、40人くらいいた新入社員のうち10人ちかくが1年目で離職。
辞めることを見越して多めに雇っていたんだなと身を持って実感しました。
辞めるべきか悩んだら辞めどきかも・・

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ワンマン社長といっても、なかには一代で世界的に有名な会社にした素晴らしい経営者もいますし、社長自ら社員の手本となり社員を引っ張っていく方も多くいます。
しかし、なかには自分が受け入れられないようなワンマン社長の会社があるのも事実。
人それぞれ価値観が違うので、その会社でどうしたいのか一度じっくり考えてみたらいいと思います。
大切なのはその会社にいる目的をはっきりさせることです。
私の場合はその会社で長く働き続けている自分の姿を具体的にイメージできなくて徐々に迷うようになり最終的には転職しました。
成長するために期間を区切って働くという目的があるならそれでもいいのですが、身体を壊しては元も子もないです。
目的をじっくり考えてみて、具体的に答えられずに迷うようなら会社選びを間違った可能性もあります。
(個人的には辞めるべきか悩んだら辞め時なんじゃないかと思います・・)
20代のうちならまだ転職もしやすいと思いますし、身体を壊さないうちに転職を考えてみてもいいんじゃないかと思いますね。